【みらい育レポート】「じっとみて。」授業(新居浜市立惣開小学校)
実施日 : 2014.7.16
時間 : 2時間め(9:45~10:30)
休憩(10分)15分休憩をカット!
3時間め(10:40~11:35)
会場 : 新居浜市立惣開小学校体育館
講師 : 八木知美(江角 実恵)
人数 : 96名(小学5,6年生全員)
●このときの様子は。新居浜市惣開小学校5,6年生授業(2、3校時)として
惣開小学校の公式ホームページにて公開されています。こちらからどうぞ!
目標
過去、現在、未来と時空を超え、自分の心の中深くに思いを巡らせ、自分についてじっくり考えることができる。思考のプロセスや結果を絵と文章で、カタチにすることができる。
自分の個性や魅力を確認したり、発見することで、しっかりと自己肯定感を持ち、かけがえのない自分の存在意義を見出す。
これまで抱えていた自分に対するマイナスイメージを払拭・浄化し、デフォルト値に戻す。
体の中から未来に向かう力(目標や夢、希望)がわき出すことを実感する
他者の思考のカタチにも触れることで、多様な価値観を共有する。
自分の良い面、他者の良い面を共有し、お互いに認め合う。
作成した絵本は自分の著書となり、自信の証となる。
show and tellでは、即興で、自分なりに工夫して発表することができる。
内容(当日使用したpowerpointはこちらからダウンロードできます)
●絵本のストーリーの説明と作成方法の説明
●ウォーミングアップ
補色残像を楽しむ。
(ワークブックの表紙に描かれた青色のモチーフを20秒間じっとみて、裏表紙の白い面に目をうつし、残像効果を楽しむ)
●たね、はっけん!のページ、作成開始
(1. もしも、自分が種だとしたら、どんな種でしょう。
心の中をじっとみて、絵をかいてみましょう)
(2. 絵が描けたら、右の上のページに特徴を
文章で書いてみましょう)
(3. お互いに絵本を交換して、
感想を書いてもらいましょう)
●たねと同じように、次のページを作成!
(1. 芽;種から芽がでます。あなたの芽はどんな芽になると思いますか?)
(2. 栄養:芽が育つためには太陽や水や土など栄養が必要です、あなたが成長するために必要なものは何ですか?)
(3. 花:いよいよ花が咲きました。最高の時がやってきました。あなたにとっての一番幸せな状態をイメージしてみましょう。)
(4. 新しい種:やがて花は新しい種や実をつけます。未来へつないでいきたいあなたの種をイメージしてみましょう。)
●全ページができた人から、作者プロフィール等を記入して完成させる。
●SHOW & TELL:2人1組になって、大きな声で、お互いの絵本を発表し合う。
●SHOW & TELL:全員の前で自分の絵本を発表する。(5名挙手したが、時間の関係で4名発表)
事例
1.もしも自分をタネにたとえたら?
自分の性格や個性など本質をじっとみて描いてみましょう。
自分自身の感想
・海の中にできた穴?
・太陽がのぼっているよう。
・穴を太陽がふさごうとしている?
・穴にまわりが吸い込まれているよう。
・よくみたら丸かった。
・昨日の穴と今日の太陽?
・海の近くで育つのかな?
他者からのコメント
・色があざやかでほんとうの自分が思っていることをかいているなと思いました。
・一日が表されていておもしろい。
・いろんな色がいっしょになっていて、いい。
・丸が重なって丸になっている。
・色あいがおもしろくて、海みたいないろ。
2.どんな芽がでますか?
タネという自分だけの世界から新しい世界へ出て行く芽を想像してみましょう。
自分自身の感想
・むらさき子葉がいやな感情?
・オレンジの葉がいいこと?
・黄色のくきは希望のくき!
・水色の根は明るい表情
・青色の根は暗い本音
・どんなふうになるのかな?
・たねがはれつした?
他者からのコメント
・カラフルでミステリアスな芽でおもしろいですね!
・希望にみちているかんじ。
・むらさきやオレンジを使っているところがいいな。
・かんじょうがあっておもしろい!
・それぞれちがう色を一つにまとめられているね。
(一体感があるよ!)
3.あなたが大きく育つために、なくてはならないな栄養は何ですか?
これがあれば、頑張れるというものを想像してみましょう。
自分自身の感想
・友達がいる人
・自然とのこうりゅう
・親切な人
・希望をふやすこと。
・弱さと向き合うこと。
・思い出を楽しくすること。
・周りの人といること。
他者からのコメント
・友達を大切にしているんだね。
・絆が一番!?
・いっぱいつまっているね!
・友達はいいなと思いました。
・にぎやかだといいということ?
4
.どんな花を咲かせますか?
一番幸せで、最高な時の自分を想像してみましょう。
自分自身の感想
・とてもやさしい心が中にある。
・強い心がやさしい心をつつむ。
・強い心が出すやさしいかがやき。
・希望の光で周りをてらす。
・暗いことを明るいことに。
・とてもふといくき。
・太陽が心の穴をふさぐよう。
他者からのコメント
・明るい感じがしました。
・太陽が輝いているみたいだね。
・太陽のような花だね!
・明るいきもちになる。
・真ん中のピンクがアクセントのよう。
5.花はやがて枯れてしまいますが、未来へつなぎたいタネを想像してみましょう。
自分自身の感想
・「空白」からはじまる。
・でも、やさしさ、強さに包まれている。
・「思い出の水」で育っていく。
・「やさしく輝いた花」は太陽となって「希望の光」でたねをつつんでいく。
・たねは「経験」で育つ。
・大きく育て、ぼくのたね!
他者からのコメント
・太陽を発見!
・すぐ成長しそう。
・また空白から大きくなっていく。
・大きくなりそう!
・中身が白いから、何色にもなれるね。
・円があるなと思った。
●ブログにて、自尊感情の3つの因子のひとつ「自己評価・自己受容」について解説しました。
こちらからどうぞ!
アンケート
(回収率:100%/98人中96人回収)1. 絵本制作の率直な感想をお聞かせください。(96人回答)
1.とてもたのしかった | 64 | 67% |
2.たのしかった | 26 | 27% |
3.ふつう | 5 | 5% |
5.無回答 | 1 | 1% |
2. 制作を通じて、自己肯定感(「いいな!じぶん」)は、感じられましたか?(96人回答)
1.とても感じた | 27 | 28% |
2.少し感じた | 54 | 56% |
3.どちらともいえない | 0 |
0% |
4.まったく感じられなかった | 0 | 0% |
3. 様々な価値観を受け入れる機会となりましたか?(96人回答)
1.十分なった | 46 | 48% |
2.ほぼなった | 42 | 44% |
3.どちらともいえない | 7 |
7% |
4.ならなかった | 1 | 1% |
<5年生男子> |
<5年生女子> ・私は最初から絵が好きだったけど、もっと絵を描くのが好きになりました。 心を感じて絵をかいたりすることはすごくたのしかったです。 ・絵を描くのがあまり好きではなかったけど、好きになりました。たのしかったです。 ・今日の「じっとみて。」で自分が好きになりました。 ・もっと長く作成してみたい。 ・少し、色々な自分が分かる機会でよかったです。 ・自分の集中力がわかりました。絵本制作も楽しかったです。 ・1人1人ちがう絵をかいていました。 たくさんの色でいろいろな絵をかくのが楽しかったです。 ・絵本作りはむずかしそうだなと思いました。 でも楽しくかんたんに作れました。 みんな明るい花、おもしろい花などいろいろでした。 わたしもきれいな花が書けました。 ・本当に自分を見つけるいい機会だったなと思いました。 上手に絵がかけるかなと思ったけど楽しかったです。 ・わたしはもう少し、自分的な絵を書けたらいいなぁと思いました。 まぁまぁ集中力が高まったなぁと思います。 でも、絵がうまくてもうまくなくても、これは自分の心をためすものなので、 関係ないと思いました。 ・自分が作者になった気持ちで絵をかく事に集中したりして集中力が高まりました。 ・友達と見せ合いをしてたのしかった。 ・絵本を作るということはあんまりないことだからいい経験になったし、 絵を自分で書いて想像するというところがおもしろかったです。 ・えほんをかいてみたいと思いました。 ・自分だけの本を作るのはとても楽しかったです。 わたしは絵が苦手だけど、自由に好きなように書いたので、 絵が得意になったような気がしました。 また、自分の心の中を見つめ直すことができてよかったです。 ・最初は絵がきらいだったけど、だんだん絵をかくことがすきになりました。 ・自分の思い通りにできてよかったです。 ・小さい時にも私は絵本を書いていて、ひさしぶりに書いたからなつかしかった。 ・私は絵を書く事が好きじゃなかったけれど、 今日の絵本制作で上手く絵が書けるようになりました。 自分が思うように自由に書けばいいことがわかりました。 絵を書く事がとても楽しいと感じられたのでうれしかったです。 ・絵はあまり好きではないけれど、今日の学習で少し好きになりました。 ・自分にしか思えない絵が書けて「どんなのにしようかな」など、 ウキウキ、ワクワクしました。 すぐに本が作れた気分になりました。 |
<6年生男子> ・自分の夢は何なのか再確認できました。 ・2時間がとても短く、友達の色々な価値観を受入れ、みんなの夢を知る機会となった。 ・絵本を書いて自分らしさを出せたと思います。 感想でみんながほめるようなメッセージをもらったので、とてもうれしかったです。 また機会があれば自分で本を作りたいです。 ・絵を書くのは上手ではないけれど、みんながほめてくれた。 ・絵を書いたり、他の人の感想を書くのが楽しかった。 ・自分の心で思ったことを絵にするのはいいなと思いました。 ・自分の性格で、自分がよく気がついていないところに気がつけてとてもよかったです。 ・絵を書くのに夢中で、ことばを書くのも忘れてしまうほどたのしかった。 ・自分の絵本が作れてとてもいい経験でした。絵をかく事がちょっと好きになったと思います。 ・自分で本を作ったのがおもしろいしたのしかったです。 みんな色々な意見があって、とってもおもしろかったです。 ・自分で本を書くということはなかったので、今日はいい経験になったと思います。 自分だけの本ができてよかったです。 ・とてもわかりやすくおもしろく教えてもらったので、時間が過ぎるのが早かったです。 ・絵本作りを想像して作ることが難しかったです。 ・みんな一人一人にストーリーがあっておもしろかった。またやりたい。 ・なかなかじぶんのすきなようにえがかけないけど、じっとみてをやってたのしかった。 ・前までは、絵を書くのがあまり得意じゃない、好きじゃないと思っていましたが、 「じっとみて。」ワークショップをして絵を書くのが楽しく感じられました。 ・ただ自分はいいのか悪いのかと単純に問うのではなく、 自分を花の一生にうつすことで本当の自分をさらけ出せるのだと思いました。 ・自分について、人の価値観について学ぶことができました。 ・ぼくは、本を読むのは好きだけど、絵本を制作するという経験がなかったけど、 自分の思っていることをそのまま書くので、簡単ですごく楽しかったです。 |
<6年生女子> ・自分に自信が持てました。自分はたった1人の大切な存在だと思った。 ・この「じっとみて。」のワークショップを通して、 たくさんの人の色々な性格があり、また考えていることもそれぞれ違うと分かり、 自分と意見が違っても、それが当たり前のことなのかなと思いました。 ・絵本制作をして、自分のことがよく分かりました。そして楽しかったです。 なので私が制作した絵本は大切にしたいです。 ・絵本制作や読み合いをすることによって自分の内面や人の意外な面が見れて良かったです。 また自分を見つめ直すきっかけになったので良い体験になりました。 ・自分なりに絵本を制作することで、個性が出せて、自己肯定感が感じられた。 そして、友達の絵本を見ることで友達の個性も見えた。 ・絵本制作を初めてして楽しかった。色々なタネや花がいいと思いました。 ・絵本制作はとても楽しかったです。 他の人の「じっとみて。」について感想を書くのも楽しかった。 絵をかくのが好きなので楽しかったです。 ・他の人と比べて似ていたり違ったりして楽しかった。 ・自分と向き合うことで、自分のこと、心とかが分かってよかったです。 ・本をつくることがたのしかったし、自分の心の中のイメージが表すことができてよかったです。 ・自分の心と向き合ってみて、思っていたことが絵に表せて良かったです。 ・この本の題名の通り自分を「じっとみて。」向き合えるいい体験になりました。 ありがとうございました。 ・自分なりの"タネ"や"芽"などを考えて書けたのが楽しかった。 ・友達の絵本を見れて良かったです。 ・タネから新しいタネになるまでを自分で書いたのがとてもおもしろかったです。 表紙を裏表紙を使って集中力を高めるのがとてもおもしろかったので、 家でもやってみたいと思いました。 ・おもしろい本ができたかなと思いました。 ・一人一人が自分で考えた絵本を書いていいなと思いました。 この機会はあんまりないと思うので楽しく過ごせました。 ・とっても時間が早く感じられました。 絵も好きになり「私ってこんな絵が書けるんだ」と思いました。 知らなかった自分を知れた気がします。とても楽しかったです。 ・自分が作った絵本はそれぞれの個性が出ていいなと思いました。 ・絵本を作って一人一人の個性が見えました。 そして自分のことを見つめて「いいな」が感じられた気がします。 自分を知れたと思います。 ・私は絵を書くのが下手なので心配していました。 でも、自分の想像力を働かせると、とても楽しい絵本作りができました。 この活動をして"絵をかくこと"が前より好きになった気がします。 ・最初はなにを書くこうか迷ったけど、すばやく大きく書くようになっていった。 ・とくに自分の心で見つけやすかったのは、栄養のところです。 たくさんのコメントをもらえたし、 他の人のイラストも、かわいいのもあれば、はげしいのもあって、 色々とおどろきました。 最後のタネは大体の人が羽が生えていました。 今回のことはとてもいい勉強になりました。 |