湘南学園小学校4年生授業 絵本制作「じっとみて。」
日時 : 2016.2.20(土)
8:45~11:00
会場 : 湘南学園小学校4年生教室
講師 : 江角実恵、八木知美
人数 : 30名(4年)
*アンケート回収:30名
目標:
1)自分の内面を全力でじっとみて、イマジネーションを最大限に稼働させ、自分について考えた絵本を作成する。
2)同じテーマでも全てが違うイメージを見ることで、多様性に気づき、相互理解を深める。
3)仲間と交流し、積極的なコミュニケーションの実現を目指す。
(全ワークショップ共通)
過去、現在、未来と時空を超え、自分の心の中深くに思いを巡らせ、自分についてじっくり考えることができる。
思考のプロセスや結果を絵と文章で、カタチにすることができる。
自分の個性や魅力を確認したり、発見することで、しっかりと自己肯定感を持ち、かけがえのない自分の存在意義を見出す。
これまで抱えていた自分に対するマイナスイメージを払拭・浄化し、デフォルト値に戻す。
体の中から未来に向かう力(目標や夢、希望)がわき出すことを実感する。
他者の思考が可視化された絵(カタチ)と文章に触れることで、多様な価値観があることに気づく。
多様な価値観を受容することで、お互いに認め合い、尊敬の気持ちを感じ合う。
作成した絵本は自分の著書となり、自信の証となる。
show and tellでは、即興で、自分なりに工夫して発表することができる。
内容
●ご挨拶
ティーチャーの自己紹介後、
prezi(最初の画面↓)を使って授業開始。
●ウォーミングアップ(最初のじっとみて。)
補色残像を体験する。
(ワークブックの表紙に描かれた青色のモチーフ(ムッシュ ミエール カルダモン)を20秒間じっとみて、裏表紙の白い面に目をうつし、残像効果を体験。不思議な体験を楽しみました。
●作り方の紹介
●自分の場所を確認
google earthにて、地球から湘南学園小学校までのムービー(18秒)を見ることで、
自分が10年前、この地球に生まれ、様々な経験をして、今、ここにいることを視覚で確認した。
●たね、はっけん!のページ、作成開始
(1. もしも、自分がタネだとしたら、どんなタネだと思いますか? 心の中をじっとみて、自由に描いてみよう。)
(2. 絵が描けたら、右の上のページに特徴を文章で書いてみましょう)
(3. お互いに絵本を交換して、感想を書いてもらいましょう)
目を閉じて、みんな真剣に自分の内面をみつめています。
●たねと同じように、次のページを作成!
(1. 芽;種から芽がでます。あなたの芽はどんな芽になると思いますか?)
(2. 栄養:芽が育つためには太陽や水や土など栄養が必要です、あなたが成長するために必要なものは何ですか?)
(3. 花:いよいよ花が咲きました。最高の時がやってきました。あなたにとっての一番幸せな状態をイメージしてみましょう。)
(4. 新しい種:やがて花は新しい種や実をつけます。未来へつないでいきたいあなたの種をイメージしてみましょう。)
●全ページができた人から、全ページを振り返り、新しいタイトルを考える。
作者プロフィール等を記入して完成させる。
●発表タイム
グループ内で、2人1組 or 3人1組になって
一番好きなページを発表し合う。
全員発表が終わったら、
希望者が全員の前で発表する。
ムリ!! できない!! の男子、ついにスイッチオン!
思うように描けなかった。
しかし、花のシーンからとんでもないスイッチが入った。
イメージは出てくるのだが、
それをなかなかアウトプットできない。
「ムリ、ムリ!できない!」と連呼して、
思うように描けなかった男子。
しかし、それは第3シーン「栄養」までの話。
感想の欄に、「かっこいい!」とか「いけてる!」とか書かれたせいかどうかはわからないが、花のシーンで突然、スイッチオン!(右写真)
外からの声が耳に入らないほどの集中力を発揮し、最終シーンを終えた後、最初のシーンに戻って全てコメントを入れ始めた。
「じぶんでつくることがはじめてできた。」と感想。初めて、自分一人の力でやり遂げた達成感は格別だったに違いない。
ちなみにスイッチの入った花のシーンがこの画像。
「カッケー」など賞賛のコメントをもらった。
【ブログ】にて紹介(☆)
大群発生!! 旅ガラス
感想を求めて旅へ。全員が飛び回る。
各シーンで絵と文章を書き終わると、ほぼ全員が感想を求めて席を立つ光景が広がった。感想のランを全て埋めたい人、目当ての人に書いてもらいたい人、エールが欲しい人、自発的なコミュニケーションが広がった。
右は先生の元へ飛んで行った旅ガラス たち。
たくさんの交流が生まれた。
誰か感想を書いてくれませんか?
自分から感想を書いてほしいと言い出せない女子。
ティーチャーは、「感想を書いてくれる人?」とざわざわした空間に投げかけた。
すると、間髪入れず、こちらを振り向き、勢いよく「はーい!」と手を挙げた男子集団(5-6名)。
その瞬発力は、押さえようにも押さえられない純粋な気持ちが炸裂したようだった。
やばいこと書いちゃった!!
絵本の交換にとりわけ積極的だった男子が女子の絵本に感想を書いた。
そして、彼女に絵本を返す時、
「やばいこと書いちゃった」と大きな声を出した。
女子は、「えええ?なに?」と複雑な気持ち(?)
大急ぎで絵本を奪還し、確認を急いだ。
その時、発した女子の言葉がこれ。
ラッキー!
そこに書かれていた言葉がこちら。
やばいというコメントは、「ササイイココーで賞」というものだった。
嬉しい悲鳴が上がった瞬間である。
あ!真剣に描いちゃった。
最初のシーン「タネ」は、自分の内面に沸き起こるイマジネーションを探す初めての体験。
なかなか難しい挑戦になる。
よって、それほど見つめてなくても、「こんな感じでいいか」と自分に折り合いをつけながら描く。
つまり、いい加減に描いていくことは多々あるし、
全力を振り絞れないもどかさしさや不完全燃焼の感もある。
また、自分のことなど見つめたくない!と言う否定的な感情もあるだろうし、
何より、真面目がかっこ悪い!
と言う感覚も否めない。
彼女も、多分そうだった。
ところがである。
つい、真面目になってしまったのだ。
「あ!真剣に描いちゃった。」
彼女の口から飛び出してきた言葉がこれ。
不本意にも真面目になってしまった自分にびっくりした愉快なエピソードである。
真面目になったシーンは栄養。タネと芽の感想は、てきとう だったが、
栄養は「ココミがいれば大丈夫。」と大好きな友達にフォーカスされた。
ちなみにタネと芽はこちら!(てきとーなたね)(あくまで芽でーす!)
アンケート集計中
(30人回収/30人)1. 絵本制作の率直な感想をお聞かせください。
1.とてもたのしかった | 14 | 47% |
2.たのしかった | 12 | 40% |
3.ふつう | 4 | 13% |
4.楽しくなかった | 0 | 0% |
未回答 | 0 | 0% |
2. 自分自身についてじっくりと考えることはできましたか?
1.とても | 10 | 33% |
2.少し | 11 | 37% |
3.どちらともいえない | 7 |
23% |
4.まったくできなかった | 2 | 7% |
未回答 | 0 | 0% |
3. 制作を通じて、自己肯定感(「いいな!じぶん」)は、感じられましたか?
1.とても | 4 | 13% |
2.少し | 6 | 20% |
3.どちらともいえない | 12 |
40% |
4.まったく感じられなかった | 8 | 27% |
未回答 | 0 | 0% |
4. 様々な価値観を受け入れる機会となりましたか?
1.とても | 21 | 70% |
2.少し | 7 | 23% |
3.どちらともいえない | 0 |
0% |
4.ならなかった | 2 | 7% |
未回答 | 0 | 0% |
3. その他、どのようなことでも感じたことを自由にお書きください。
<女子>
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